現在、クリーンルーム用の手袋というと、ニトリルやラテックス手袋が主流ですが、
PVCを使った手袋もあります。
最近ではクリーンルームで使用している事例は少ないかもしれませんし、
介護現場などで使われている商品というイメージをもっている方も多いかもしれません。
しかしながら日本にもクリーンルーム用をうたったPVC手袋(箱入ではなく、多くはクリーンパック品)は販売されていますし、
海外でもクリーンルーム用PVC手袋は販売されており、実際に大量のPVC手袋を使用している半導体関係の企業もあります。
今回は、PVC手袋について、メリットとデメリットを紹介します。
・メリット コストが安い
PVC手袋の魅力はコストです。コストという面でみると、ニトリルやラテックスよりも優れています。
なかなか表現が難しいですが、ニトリルやラテックスを10とすると、6~7くらいの感覚です。
※あくまで個人のイメージです。商品によっても左右されますし、石油価格や為替によっても変化があるかもしれません。
また、手袋からの発塵も少なく、クリーン環境での使用にも適しています。
ここまで書くと良いことが多いPVC手袋ですが、もちろんデメリットもあります。
まず、第一にPVC手袋はニトリル手袋や、ラテックス手袋のような手にフィットする感覚はありません。
商品によって違いはあるでしょうが、実際に着用してみると隙間ができる印象です。
昔はクリーンルーム用手袋ではPVC手袋を使うことも多かったそうですが、
その後ラテックス、ニトリル手袋と移行が進んでいったのは、このフィット感の問題もあったようです。
また、熱に弱い点や強度的な面で、ニトリルやラテックスと比較すると弱い(破けやすい)傾向があります。
手にフィットさせようと装着したPVC手袋を引っ張ったら、手袋の袖口が破けたという経験がある方は、
少なくないのではないでしょうか?
以上のようなデメリットはありますが、冒頭に記載したようにコストという点では非常に優れています。
コストが低く発塵が少ない手袋を探しているという現場の方には、
PVC手袋という選択肢もありかもしれません。